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2005.04.28

福知山線脱線事故~難しい技術の伝承

 福知山線の脱線事故は死者が100人を越え、戦後まれにみる大惨事となってしまいました。当初言われていた置石説も、粉砕痕の分析の結果、線路のバラストであることがわかり、これで置石が置かれたというJR西日本の説明がつかなくなってしまいました(こちら参照)。

 一昔前までは、どこの職場にもタテの人間関係が存在していて、後輩は厳しい先輩の指導や叱責、励ましを受けたりしながら、社会人として自立していったと思います。時には酒の席などでの行き過ぎた行為によって思わぬトラブルになることもありましたが、こうした先輩からの仕事のコツや社会人としての処世術を得ることによって、技術が伝承され、企業も大きくなっていったのだと思います。

 しかし、鉄道業界に限らず、職場の空洞化によって、本来は先輩から伝承されるべき仕事の技術やそれぞれの職場ならではの伝統などが次世代に伝わらず、若い世代の中には学校で得た知識だけで社会に対応しているという光景がどこの業界でも見受けられるように思います。先日私も書きましたけど(こちらを参照)、社会人として身に着けるべきマナーや技術がなく、うまく職業人として自立できない若い世代が多いことは大変気になります。しかし、それは会社における現在の有様も原因していることは確かでして、会社の効率をあげるだけのリストラがまさにこうした次世代への伝達不足を生んだのではないかと思います。

 これを考えれば、今の若い世代は社会人としては大変気の毒な境遇に置かれていると言えなくもないと思うのですが、ちょっと注意されれば萎縮しそのまま辞めていくという話は今となっては決して珍しいことではなくなってしまいました。

 こうしたことが、ニートやフリーターを生み、何の責任もない生活を続けることによって、相手を考えない人間を作り上げるとすれば、あまりにも希望のない将来ではないかと思ったりします。

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鉄道」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございます。
 難しい問題ですが、若い人たちがどうすれば希望を抱いて生きられるのか、彼らに老後を支えてもらうジジイまっしぐら世代の私としても無関心ではいられません^_^;。
 世の中の変化が激しすぎて、彼らを指導すべき世代の人間がそもそも変化についていけずに息切れしているんですから、その背中を見ても育つもんも育たないし、そもそも有効なコミュニケーションが成り立たないでは、双方にとって不幸なことなんですが。
 巷の(正しい)日本語ブームも、コミュニケーションの喪失感から来ているように思われます。

投稿: 走ルンです | 2005.04.29 00:11

 先日、JR福知山線の事故のニュースを見ました。106人の人が亡くなられたと聞き、改めて事故の甚大さを知りました。
 私の意見としては、事故の原因の背景にあるのは、JR西日本の企業としての体質ではないかと思います。事実、JR西日本では、過去に運転士の自殺という事件が起きています。これは、JRの社員教育によるものであるとメディアでは伝えられています。おそらく今回の事故車両の高見運転士もそのプレッシャーから今回の事故を起こしてしまったのではないかと思わずにはいられません。
私は、JR西日本は企業体質を見直すべきだと思います。そしてこのような事故を二度と起こさないことこそが、事故で亡くなった人たちへの供養の一つだと思うのです。
 しかし、それ以上に私が心配なのは、今回の事故で亡くなった人たちの親族の方々です。苦しみに耐えきれなくなって後追い自殺をするのではとか、最悪の場合、後追いの一家心中というこの上ない最悪の事態に発展するのではと、私はそれが気になってしまいます。 そうならないよう、周りの人たちが励まし、元気付けてあげるべきだと思うのです。    

投稿: me | 2005.04.29 13:44

 こんばんは。コメントありがとうございます。

 今回書いた記事はJR西日本に特定したことではなく、どこの企業にも言えることと思います。中堅層の数が企業の中で少ないというのは、10年前のバブル崩壊直後に各企業が雇用を控えたことが一因と思いますが、贅肉をそぎ落とそうとしたところが骨まで削ってしまい、骨折ばかりしてしまうというのが、今の企業の体質ではないでしょうか。

 JR西日本に限った事で言えば、「日勤教育」という常軌を逸した社員教育がマスコミなどで取り上げられています。直接今回の事故と関係があるかどうかはまだわかりませんが、こうした車内、もとい社内で起きていた事実をオープンして、風通しのよい会社に生まれ変わってもらいたいものです。

投稿: mattoh | 2005.04.30 21:46

この福知山線脱線事故は、107人の犠牲者を出した紛れもなくJR史上最悪の事故と言えます。ご遺族の方々の苦しみは筆舌に尽くし難いものと思います。電車が突っ込んだマンションの住民の方々も突然の出来事に驚き、苦しむ姿が想像できます。
 しかし被害者は107人の犠牲者や数百人の負傷者、マンションの住民の方々だけではありません。近隣の住民の方々もまた、被害者なのです。
 ある女性は、事故の後、勤めていたスーパーを辞めたと聞きます。接客態度もよく、同僚の評判も良い人だったそうです。しかし事故の後、JRの職員が来た時ちゃんと接客できる自信がないと言う理由から辞めたそうです。またある母親は、事故以前は手がかからなかった子供さんが、事故の後、嘘のように手がかかるようになったと言います。この人たちは被害者でも、被害者遺族でもありません。物が壊されたといった被害もありませんでした。それなら事故とは何の関係もないじゃないかと言う人がいるかもしれません。
 しかし、本当にそうでしょうか?
 私はそうは思いません。この人たちもまた、福知山線脱線事故の被害者だと思うのです。本当の被害者は、私たちが知っている人数よりさらに多いと私は思うのです。

投稿: shipa | 2005.05.12 22:08

 こんばんは。コメントありがとうございます>shipaさん。

 事故が起きると、直接被害に遭った人々に目が向いてしまいますが、直接ではなくても、この事故によって何らかの影響を受けたという人はたくさんいらっしゃると思います。今回の事故に限りませんが、こうした人たちへの精神面でのフォローも行っていく必要があるのではないでしょうか。

 特に、将来電車の運転手になるという夢を持っていた子供たちには大きな影響があると思います。せっかくの夢ですので、将来の担い手となるべく、その希望を失わせないようケアして欲しいですね。

投稿: mattoh | 2005.05.16 21:45

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