東海道本線の名列車「東海」号に乗る
水曜日の旅もいよいよ大詰め。この日最大の目的である特急「東海」号に乗り込みます。夕方17時過ぎ、静岡駅2番線ホームに上がると、隣の3番線に3両編成の特急車両が停車しているのが見えました。先頭部分には「ふじかわ」という青いヘッドマークがつけられていたので、甲府からやってきた特急「ふじかわ」号が到着した後だったようです。すると、2番線にも同じ372系が入ってきました。こちらはこれから甲府へ向かう17時12分発の「ふじかわ11」号です。
東海4号の前に発車した「ふじかわ11号」
17時12分、定刻に発車したふじかわ11号を見送り、5分ほどして東京寄りから先ほどと同じ372系が入ってきました。今度は長い6両編成で、これが今回乗車する特急「東海4号」です。
静岡駅で出発を待つ東海4号
東海号のヘッドマーク。これも来月で見納めです。
現在の東海号は、今から11年前の平成8年にこれまで165系で運転していた急行東海号が格上げされる形で登場しました。車両も特急にふさわしい装備を持った372系へと変わりましたが、やはりそれまでの急行列車時代のイメージが今だ強いですね。特に周遊券で利用できる列車とあって、静岡まで利用したという人も多いんじゃないでしょうか。私も一度、国鉄からJRへ転換する直前の'87年3月に長崎・佐世保ミニ周遊券を利用して旅をした際に東京から乗ったのが急行「東海1号」でした。
発車時刻までわずかしかなかったので、すみやかに写真を撮り列車に乗り込みました。座席に付いてほっとしたと思ったら、列車は静かに動き出し、こうして17時23分に東海4号は発車しました。
清水を過ぎ、由比の海岸に差し掛かった頃にはすでに周囲は真っ暗になってしまいました。私が乗っていた車両は、乗客が4、5人ほど。やはり東京までだと新幹線を利用する人の方が多いようですね。今回は指定券を事前に買っておいたんですけど、このとき思ったほど高かったのには正直びっくりですね。この値段だったらもう少し出して新幹線に乗れますし、安く移動することを考えれば静岡や清水から出ている高速バスという手もあるので、今となっては特急東海の存在意義はかなり薄れてしまいましたね。
沼津、三島を過ぎ、丹那トンネルを抜けると18時17分、熱海に到着しました。ここでも乗客の移動はほとんどなくいささか拍子抜けでしたが、小田原からは箱根へ行ったと思われる観光客が何組か乗ってきました。小田原から東京まで、特急券だけで900円で利用できるので、そこそこ利用客は見込めるようですね。ただ、土休日はグリーン料金も更に安くなってしまいますので、どちらにしても存在する意義は現在ではないに等しい状況は変わらないようですね。
こうして19時40分、東海4号は終点の東京駅に到着しました。列車から降りると、廃止を聞きつけたファンが列車の写真を撮っておりました。
東京駅に到着した東海4号
去年3月の「さくら」「出雲」廃止に続き、またしても東海道本線に君臨してきた列車の廃止は、やはり時代の流れを感じざるを得ません。東海道線に残る在来線の特急は、現行では伊豆急行線に入る「踊り子」とブルートレインの「はやぶさ」「富士」、そしてサンライズのみとなってしまいましたが、特にブルートレインはいつ消滅してもおかしくない状況にあるので、こちらもいずれは乗っておきたいですね。廃止は残念ですが、最後まで事故なく走り通して欲しいと願っています。
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