最初で最後の乗車~急行銀河号
1月の関西遠征もいよいよ大詰めとなりました。大阪からの帰りは、この3月のダイヤ改正で廃止が決まっている急行銀河号に乗りました。
実は銀河号にはこれまで一度も乗ったことがありません。理由は簡単で、関東と関西の間の移動は専ら夜行高速バスか旅客機が主だからです。どちらも片道で1万円出せば十分乗ることができるとあって、寝台と急行券をあわせると7千円取られてしまう寝台列車はやはり敬遠してしまいますね。それでもいつかは乗りたいと心の中で思ってはいましたが、そうこうしているうちに昨年末に廃止の報が入ってきました。やはり廃止が決まった以上は乗っておきたいと思うのは人の常。そんなわけで今回、最初で最後のお名残乗車をしようと1ヶ月前に寝台券を押さえておいた次第です。最初は開放A寝台を体験しようかとも思いましたが、久しく寝台列車に乗ってなかったのと如何せんA寝台の料金が高いこともあり、B寝台にしました。
さて大阪駅でなは・あかつき号を見送った後は、銀河号の発車まで1時間以上ありましたので、駅近くの鉄道書籍が充実している旭屋書店本店を訪れて時間つぶしをしていました。関西で鉄道関連の書籍の充実振りはおそらく一番であろう旭屋書店ですが、まだ入手していなかった鉄道ピクトリアルの増刊号があったので、ここで購入してから再び大阪駅まで戻りました。22時10分前、銀河号が到着する10番ホームに上がりあたりをうろうろしていると、「銀河」と書かれた乗車位置や時刻表などが見つかりました。もちろん廃止されればこれらの案内板はなくなる運命にありますので、もちろんデジカメで写しておきました。
銀河号のLED乗車案内
大阪駅10番線ホームの時刻表
銀河号の乗車位置
そんなことをしながら、私は電気機関車が停車するであろうホームの京都寄りへやってきました。廃止を2ヶ月後に控えていた時期で、ホームにはファンの姿が見受けられましたが、いよいよ22時15分過ぎ、EF65電気機関車に牽引された急行銀河号が入線してきました。
この日の牽引機はEF65-1102
日によっては、「ゲッパ」ことレインボー塗装のEF65-1118号機が牽引することもあるそうですが、残念ながら今回は普通のEF65でした。
機関車を一通り撮り、今度は最後部へと移動しました。しかし発車まで5、6分とわずかしかなく、おまけにホームには最後の活躍をする銀河号の姿を撮ろうというファンが右往左往していることもあって、手際よく撮らなければとても時間が足りませんでした。それでもなんとか方向幕、最後尾と一通り撮り終えてから列車に乗り込みました。もう後2、3分は欲しかった・・・(――;)。
銀河号の方向幕
最後尾の電源車
こうして22時22分、急行銀河号は大阪を後にしました。新大阪を出たところで車掌による検札が行われ、手持ちの寝台券をチェックしていきました。この時点で私のいた寝台にはまだ他に誰もいませんでしたので、寝具をセットしてから持ち込んだアルコールで一杯やりながら、しばらく流れ行く車窓を堪能しました。
それにしても寝台列車に乗るのはほんと久しぶりでした。以前は旅客機よりもまだ安かったので、それでも利用する機会はあったんですが、昨今の航空運賃の値下げや相次ぐ寝台列車の廃止もあって、ますます遠ざかっていってしまいましたね。子供の頃のブルトレブーム真っ盛りの頃は、親にせがんで出雲号に乗せてもらいましたけど、今思えば子供の顔を立てるべく決して安くはない寝台列車に乗せた親の苦労が身にしみますね(^_^;)。
やがて酒の力が徐々に現れてきたのか、次第に眠くなってきたので、京都の手前で寝台に入り横になりました。大津を出たところまでは記憶がありましたが、その後は眠ってしまったらしく、米原か名古屋あたりで乗り込んできた乗客の服を落とした音で一度目が覚めた以外はほぼ寝入っていました。ちなみに私のいた寝台には京都で一人、そして米原から名古屋の間で2人乗ってきましたが、後から乗ってきた2人は早朝の静岡か沼津あたりで降りてしまったらしく、結局4区画が埋まるほどの盛況振りでした。
翌朝、1月のまだ日が開けない横浜の手前で目が覚めました。東京到着まで20分ほど、洗面所で身支度を済ませたり寝台を片付けたりしているうちに、列車は品川に到着しました。こうして6時42分、終点の東京に到着しました。
(上下とも)無事到着
昭和から平成に変わったあたりは、新幹線が走らない時間帯を有効に活用できることもあって比較的利用者も多かったそうですが、その後平行して走る高速バスが旅客のニーズに合わせたバス車両を導入したり、破格の値段設定を行う格安バスツアーが台頭するなど、銀河号を取り巻く環境は厳しくなっていきました。そしてついに廃止が決まったわけですが、新幹線や高速バスでは味わうことが出来ない独特の雰囲気を持つ夜行列車が少なくなってしまうのは、何とも寂しい気がします。ただ、これも時代の流れと言えばそれまでですけどね。
ところで、なぜゲッパと呼ぶのでしょうね>EF65-1118?
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